結婚相談所の成婚率のからくり|同じ実績が8%にも40%にもなる理由

結婚相談所を調べると、「成婚率10%」と「成婚率65%」が同時に出てきます。 どちらかが嘘をついているように見えますが、そうではありません。 成婚率には業界で決まった計算式がなく、割る数(分母)を各社が自分で選べるからです。

このページでは、分母の違いで数字がどう動くかを1社の同じ実績で計算して見せたうえで、公式が実際に公表している値と、その式の定義を出典つきで並べます。 下の計算例に出てくる会員数は、説明のために置いた架空の1社の数字です。 実在の会社の公表値は、そのあとの表にまとめています。

同じ1社の実績を、3つの式で計算する

次の実績を持つ相談所を考えます。ここは架空の数字です。

このまったく同じ実績を、よく使われる3つの式に入れます。

計算成婚率この式が答えていること
A 成婚退会者 ÷ 在籍会員数100 ÷ 1,00010.0%いま在籍している人のうち、1年で成婚する割合
B 成婚退会者 ÷ 総退会者100 ÷ 25040.0%辞めた人のうち、成婚が理由だった割合
C 成婚退会者 ÷ 入会者100 ÷ 40025.0%その年に入った人数に対する成婚の数

10.0%と40.0%は、同じ相談所の同じ1年です。 成績が4倍違うのではなく、割る数を変えただけです。

Bが高く出るのは当然で、分母から「まだ活動を続けている人」が全員消えるからです。 在籍1,000名のうち750名は、成婚も退会もしていないので、Bの計算には一度も登場しません。

なぜBの式だと数字が上がり続けるのか

Bには、もう一段のからくりがあります。成婚しないまま在籍し続けている人は、いつまでも分母に入りません。

つまり、成果が出ていない会員が辞めずに残っているほど、Bの成婚率は下がらないということです。逆に、退会の手続きが厳しく引き止めが強い相談所ほど、Bの数字は良く見えます。 これはサービスの質ではなく、退会のしにくさを測っている可能性があります。

Aの式にも弱点があります。会員を急に増やすと、分母だけ先に膨らんで成婚率が下がります。 新しく入った人はまだ成婚していないので当然です。つまりAは、成長中の相談所を不当に低く見せます。

どの式にも欠点があります。だから「どの式が正しいか」ではなく、 「その会社がどの式を使っているか」を見るのが正解です。

「成婚率10%」はどこから来た数字か

ネットでよく見る「結婚相談所の成婚率は10%」の出どころは、 2006年に経済産業省が出した調査報告書です。ここでは暫定成婚率と呼ばれています。

区分平均成婚者数(A)平均会員数(B)暫定成婚率(A/B)
男性会員(全体)40.3人481.2人8.4%
女性会員(全体)40.9人405.8人10.1%
仲人・結婚相談型(男性)16.9人214.0人7.9%
仲人・結婚相談型(女性)15.5人180.7人8.6%
データマッチング型(男性)262.2人2,994.1人8.8%
データマッチング型(女性)289.9人2,389.9人12.1%
インターネット型(男性)29.7人1,564.3人1.9%
インターネット型(女性)19.6人1,547.5人1.3%

出典:経済産業省「少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究 資料編〔実態・分析編〕」(2006年5月公表、平成16年度の実績)。取得日 2026-09-01

この表の式は、先ほどのA(成婚者÷会員数)にあたります。だから低く出ます。

重要なのは、報告書自身がこの数値に但し書きを付けていることです。 報告書の注記には、「平均成婚者数は全数の把握では無いことと、平均会員数は調査時点の数値であることに留意する必要がある」と書かれています。つまり分子は1年間の数、分母は調査時点の数で、そもそも時点が揃っていません。 政府側も「目安」と明言しています。

この調査は、引用のされ方が正確でないことがあります。 「2005年の調査」「少子化時代における結婚関連産業の現状」と書かれているのを見かけますが、報告書の正式な題は「少子化時代の結婚関連産業の在り方に関する調査研究」で、 公表は2006年5月、集計されたのは平成16年度(2004年4月〜2005年3月)の実績です。 孫引きで広がっている数字なので、元の報告書に当たると但し書きまで読めます。 このページの数値は、国立国会図書館に保存された報告書本文から直接取っています。

加えて、これは平成16年度、いまから20年前の調査です。 現在の相談所の実力を表す数字として使うには古すぎます。 「成婚率10%」を根拠に結婚相談所は無駄だと書いている記事があれば、その根拠は20年前の目安値です。

公式が実際に公表している値

各社が何を公表しているかを、公式ページの記載どおりに並べます。成婚率を公表していない会社もあります。

会社・連盟公表している値計算式の記載「成婚」の定義
IBJ(日本結婚相談所連盟)2024年の成婚者15,374名(成婚白書2024の対象者数)成婚者 ÷(成婚者+退会者)と白書に明記婚約(成婚主義を掲げ、加盟相談所すべてが婚約をゴールとする)
パートナーエージェント1年以内の交際率93%/1年以内の成婚率65%どの式かの記載なし交際中の二人が結婚の意思を固めて婚活を終了すること
ツヴァイ成婚率は公表していない(累計成婚数・年間成婚退会者数を公表)活動中に結婚、または結婚の意思を固めてツヴァイでの婚活を終えること
オーネット成婚率は公表していない(成婚数を公表)公式に成婚率としての記載なし

各社公式サイトの記載を 2026-09-01 に確認。公表内容は変わるので、申し込む前に必ず公式で確かめてください。

IBJの式は、先ほどのBです。だから他社より高い数字が出ます。これはごまかしではなく、式を公開しているぶん誠実だと言えます。 問題なのは、式を書かずにパーセントだけを大きく出しているケースです。

「成婚率が高い結婚相談所」を探すときの順番

ここまでで、成婚率のパーセントだけを会社間で比べても順位にならないことを見てきました。では成婚率が高い結婚相談所を選びたいとき、実際には何を順に見ればいいのか。 次の4段階で絞ると、式の違いに振り回されずに済みます。

順番見ること落とす相手
1成婚率の式が書いてあるか式を書かずにパーセントだけ大きく出している会社
2「成婚」が婚約か入籍か定義を書いていない会社
3いつの数字か(累計か、昨年1年か)累計を年間実績のように見せている会社
4残った会社の1年の総額と、月に会える人数ここで初めて金額と条件で決める

1から3で落ちない会社は、そう多くありません。 そして残った会社どうしなら、式が揃っているので成婚率を比べる意味があります。

順番を逆にすると失敗します。先にパーセントの大きい順に並べると、一番ゆるい式を使っている会社が一番上に来るからです。

成婚率が高く見える会社に共通すること

公表値が高い会社には、たいてい次のどれかが当てはまります。どれも不正ではありません。 ただし実力の差ではなく、数え方の差です。

逆に、成婚率を出していない会社が弱いわけでもありません。 ツヴァイとオーネットは成婚率を公表せず、成婚数という数え方の余地がない数字を出しています。 率を出さないのは、比較にならないと分かっているからとも読めます。

それでも成婚率を比べたいときの1つの方法

式が揃っていないなら、自分で分母を揃えてしまうのが確実です。 入会の面談で、次の3つを数字で聞いてください。どれも会社が持っている数字です。

この3つがあれば、どの会社もAとBの両方を自分で計算できます。 答えられない、あるいは「公表していない」と言われた場合、 その会社の公表している成婚率も、同じ根拠で作られていない可能性があります。

成婚料の有無や1年の総額は、費用比較に公式の出典と取得日つきで並べています。

「成婚」が婚約か結婚かで意味が変わる

もうひとつ見落とされるのが、成婚のゴールがどこかです。

IBJは婚約を成婚としています。プロポーズが成立した時点で成婚退会です。 つまりIBJの成婚率は「婚約に至った割合」であって、「入籍した割合」ではありません。

これは悪い話ではありません。相談所は入籍まで面倒を見る立場ではないからです。ただし、「成婚率65%」を「65%が結婚した」と読むのは、正確ではありません。

成婚率より当てになる数字

成婚率が比較に使えないなら、何を見ればいいのか。 定義のブレようがない数字を見ます。

見る数字なぜ当てになるか
会員数と、その内訳出会える相手の総数そのもの。連盟に加盟していれば連盟全体の会員も検索できる
1年活動したときの総額登録料・初期費用・月会費・成婚料の合計。式の解釈が入らない
月に何人と会えるか(申込可能数)プランごとに上限が決まっている。成婚率と違い各社が同じ意味で使う
成婚料の有無成婚料があるほど、相談所側が成婚させる動機を持つ

とくに総額は、成婚率より正直な数字です。 料金の内訳は公式に書いてあり、解釈の余地がありません。 結婚相談所の料金の内訳で、登録料から成婚料までを実額で並べています。

IBJの白書から分かる、成婚した人の実像

成婚率という1つの数字より、成婚した人が実際に何をしたかのほうが役に立ちます。IBJ「成婚白書2024」から、記載どおりに引きます。

出典:株式会社IBJ「成婚白書2024」(2025年4月公表、2024年に成婚退会した15,374名が対象)。取得日 2026-09-01

いちばん効いているのは、お見合いの数です。 成婚した人と辞めた人の差は、年齢よりも会った回数に出ています。 成婚率の高い相談所を探すより、月に何人と会えるプランかを見たほうが、結果に近づきます。

また、在籍9ヶ月・交際4ヶ月という中央値は、費用の計算に直結します。月会費が1万5千円なら、9ヶ月で13万5千円。ここに初期費用と成婚料が乗ります。 「1年でいくらか」を先に出しておくと、成婚率の宣伝に振り回されません。

成婚率の広告を見たときの3つの確認

3つとも書いてあれば、その会社は信用できます。 1つも書かずに大きなパーセントだけ出しているなら、その数字は読まないほうが安全です。

よくある質問

成婚率が高い結婚相談所を選べばいいのでは?

式が同じなら比較になりますが、各社が別の式を使っているので順位になりません。 上で示したとおり、同じ実績が10.0%にも40.0%にもなります。式が書かれていない成婚率は、会社をまたいで比べられません。

成婚率10%というのは本当ですか?

2006年の経済産業省の調査で、男性8.4%・女性10.1%という暫定値が出ています。ただし報告書自身が「目安」であり、分子と分母の時点が揃っていないと注記しています。 20年前の調査なので、いまの相談所の実力とは別に考えてください。

婚活アプリの成婚率はどうですか?

同じ2006年の調査では、インターネット型の暫定成婚率は男性1.9%・女性1.3%でした。ただし報告書は「成婚者を把握することが極めて難しい業態である」と明記しています。辞めた理由を運営が知らないので、低く出ます。アプリが不利という意味ではありません。

成婚料を払うのは損ですか?

成婚料があるぶん総額は上がりますが、相談所側に成婚させる動機が生まれます。 月会費だけの相談所は、在籍が長いほど売上が伸びます。 どちらが良いかではなく、1年活動したときの総額で比べてください。

まとめ

このページの出典

式ではなく実額で比べたい場合は、結婚相談所・婚活サービスの比較に公式の料金を出典つきで並べています。

どのサービスが向いているかから決めたい場合は、婚活サービスの選び方を先に読んでください。

成婚料の有無で費用がどう変わるかは、成婚料なしの結婚相談所に成婚した場合・しなかった場合の両方の実額を出しています。

30代で「厳しいのでは」と感じている場合は、30代の婚活は厳しい?で、データ上で本当に厳しいことと、そう思われているだけのことを分けています。

「結婚相談所はやめとけ」と言われる理由が気になる場合は、結婚相談所はやめとけ?で、6つの理由を公式の料金表と経済産業省・IBJの資料で1つずつ判定しています。

最終更新 2026-09-01